睡眠
大人にとって睡眠は体と頭を休めるためのものですが、子どもにとっての睡眠は休息以外に「発達させる」役割もあります。子どもの脳は、寝ている間に記憶の整理をしたり体を育てる「成長ホルモン」が分泌されます。
”しっかり眠ることは、しっかりとした心と身体をつくります”
★子どもの睡眠の3つの役割
①記憶を整理する…不要な情報を削除して、必要な情報を固定します。
②脳や心身を発達させる…睡眠中の深い眠りで成長ホルモンが分泌されます。
③脳や心身を休ませる
※5歳児で1日11時間の睡眠が必要だと言われています
★ぐっすり眠るためのコツ
①早起き!をする 早寝よりも早起き!!が大切
起こした時、機嫌が悪くてもまずは起こしましょう。1週間続ければ体も慣れてきます。
目が覚めるよう、カーテンを開けて毎朝同じ時間に太陽の光を浴びましょう。
②寝る1時間前はメディアはOFF
寝る前にテレビやタブレットを見ると、画面のブルーライトで脳が朝だと勘違いしてスムーズに寝にくくなります。
寝る1時間前はメディアをOFFにして、ゆったり過ごしましょう。絵本やお話タイムなどがおすすめです。
③日中はしっかり体を動かしましょう
日中の適度な運動により、自律神経が整い睡眠の質が上がります。
④眠る環境を整えましょう
部屋は暗くして、動きやすく締め付けのないパジャマで眠りましょう。隣の部屋のテレビの音や灯りもNGです。
脳を育てるために5歳までに何をするべきか?
最初の5年間はこれだけでいい!
小児科医・医学博士・発達脳科学者:成田 奈緒子 先生のH.Pより
~抜粋~
「いい教育を受けさせるのが子育てではありません。最初の5年間はひたすら、早く寝て早く起きられる脳を作ることに専念すべき」
からだの脳を育てるには、五感を繰り返し刺激することが重要です。朝の光を浴びる、夜は真っ暗にして寝る、同じ時間に3度のご飯を食べる、子どもの顔を見て表情豊かに明瞭な声で語りかける…。
「子育て=学習・教育」ではない
「早すぎる教育」を強いられた子は、幼児期~学童期ごろまではおおむね成績優秀で従順です。でも、その後かなりの高確率でうまくいかなくなります。思春期を迎えるころ、成績の伸び悩みや人間関係のトラブルで引きこもりや非行に走ることも…。
最初の5年で生活リズム(昼行性動物の基)を身に付けられれば「子育ては、後になる程ラクで楽しくなりますよ!
おやつ 「おやつは心と体の栄養です!」
大人にとってのおやつは嗜好品ですが、子どもにとってのおやつは心と体を成長させるために非常に重要な存在です。
★なぜおやつを食べるのでしょう?
子どもにとってのおやつは、3回の食事ではとり切れない栄養の補給源。いわば第4の食事です。
子どもの体はまだまだ未発達で、1度にたくさん食べることができず、3回の食事だけでは栄養を補給することができません。そこで重要になるのがおやつです。”おやつ=甘いもの”ではなく、子どもにとってのおやつは軽い食事です。
また、おやつの時間は子どもがリフレッシュできる効果があり、空腹を満たすだけでなく疲れた心や体を癒します。おやつの時間はそれだけでもワクワクしますが、家族や友達と一緒に楽しむ時間を過ごすのが嬉しいもの。できるだけ1人で食べるのではなく、みんな一緒に楽しむ時間にしたいですね。
★おやつを与える時の7つのポイント
①おやつの時間を決める…欲しがる時に常に何かを与えていると、偏食・ムラ食い・ダラダラ食べ・肥満や虫歯の原因になります
②ガム・ナッツ類・白玉もち・こんにゃく入りゼリーは3歳までは控えましょう…子どもは飲み込む力が弱く、のども細いため詰まらせる恐れがあります
③ながら食べNG!…テレビを見ながら、遊びながらの「ながら食べ」は、注意力が分散され必要以上に食べてしまいます
④市販のお菓子も上手に活用しましょう…市販のものを選ぶときは、1.タンパク質・ビタミン・鉄分・カルシウムが摂れるもの 2.余計な糖分・塩分・油分が少ないもの 3.噛む練習になりそうなもの を選びましょう
※シュガーレスと表示されていても、カロリー0ではありません!
⑤1回に食べる量だけお皿に出す…その子に合ったおやつの量をお皿に出してあげましょう
⑥不足しがちな栄養素を取り入れる…3回の食事では足りないと思った栄養を取り入れましょう。例えば、お昼ごはんにご飯を残していたら残ったご飯をおにぎりにしておやつに出したり、同じくらいの量のパンを与える。乳製品が足りない時は、牛乳やヨーグルト、チーズを与えるなど、その日の食事の栄養バランスを考えるといいですね!
⑦手作りおやつ…苦手な野菜を入れるなどのアレンジができるので、その子に合わせたおやつを与えられるのはやはり手作りです!ただ、手作りおやつはハードルが高い…💦ので、市販のものに少しプラスするなど上手に活用するといいですね。
そして、おやつの後は歯磨きをしっかりと!やりたいところですが…歯医者さんのお話では、食後にお茶を飲むだけで口の中の虫歯菌が流される、そして牛乳は虫歯予防にとってもいいそうです。おやつの後に、お茶や牛乳を飲みましょう!
★台所は五感が育つとっても良い場所です!
触覚…食材や生地の柔らかさ・固さ、熱い・冷たいの温度...
聴覚…ジュージュー焼く音、グツグツ煮る音、トントン切る音...
嗅覚…調理中の匂い
視覚…調理の前後での食材の変化(色・形・大きさ...)、切り口のおもしろさ...
味覚…言うまでもなく「おいしー!」、辛い・苦い・甘い...
子どもたちは、お手伝いが大好き!洗う、切る、混ぜる、こねる、盛り付ける…お家の人と一緒に手作りおやつや夕飯を作ることは、とても素敵な経験になります。食材や料理に興味を持つきっかけにもなります。
お休みの日など、時間とお母さんの心に余裕がある時にこんな素晴らしい台所で一緒に過ごしてみてください!そして、失敗しても「お手伝いありがとう!おいしいね!」の声をかけてあげてください!心と体の栄養満点になりますよ。
メディアについて
現代は、幼児期からメディアに触れる機会の多い生活ですが、メディアが身体に及ぼす影響がどれくらいあるか知っていますか?
お子様がテレビやDVD・タブレットを見ている間、忙しいママは家事に集中できるので、ついつい見せてしまいがちです。でも、だんだん長時間となり、習慣化すると「脳・視力・睡眠・体・言葉の発達の遅れ・姿勢・自制心・生活の乱れ」などに影響を与える恐れがあります。そして、本来乳幼児期に必要な体を動かす機会が減ったり、親子のスキンシップの時間やじっくり考える力を減らすことにもなりかねません。
★メディアが子どもたちの脳・心・体に与える悪影響
・脳…考える、創造する、人と会話をすることが苦手になる
怒りっぽくなったり、暴力的になる
物事に集中できない、判断力がなくなる
コミュニケーション能力が育たない
・心…イライラ、キレやすい
バーチャルと現実世界の区別がつきにくくなる
メディア以外のことが楽しく感じなくなる
・体…生活リズムが崩れる
視力低下
テレビ→タブレット→スマホと画面が小さくなる程、片目で見る(両目で見るとブレる)ので、視力の左右差が大きくなる
姿勢が悪くなる
★電子ベビーシッターの危険性
子どもは本来、テレビを見なくても自分で遊びをつくり出す力を持っています!でも、一方的に刺激や楽しみを与えてもらう環境で育つことで、自分で考えたり創造することが苦手になってしまうのです。
電子ベビーシッターに育てられると…
●乳幼児期は…おとなしくて楽!!
テレビ大好き!受け身で楽しませてもらうことが好き!強くて新奇な刺激でも平気!自分で遊べない…
●小・中学生になると
ゲーム好き!動くことは苦手。「ひまー」「うざい」「つかれたー」が口癖。自分で考えることは苦手。
●青年期以降は…
働くことが苦手。コミュニケーションが苦手。経験が少ないから自分に自信が持てない。
乳幼児期からテレビやビデオを1人で長時間視聴していると、コミュニケーション能力が育たなくなります!
!小児科医会の提言!
①2歳までのテレビ・ビデオの視聴は控えましょう。
②食事中のテレビ・ビデオの視聴はやめましょう。
③すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが必要です。
・1日2時間までを目安と考えます
・テレビゲームは1日30分まで目安と考えます
④子ども部屋にはテレビ・ビデオ・パソコンを置かないようにしましょう。
⑤保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールを作りましょう。
メディアのある生活が当たり前に、またメディアを使いこなせることが求められる現代は、「メディアが悪いならすべてやめよう!」は、なかなか難しいものです。見る時間を少し減らしたり、見るものを選択するなどお子様と一緒にルールを作ってみるのがいいですね。
また、メディアとの接触時間を制限することよりも、他の遊びの経験があることが大切だとも言われます。
夕飯の後みんなでカルタやトランプをする、お休みの日の朝家族でお散歩をするなど、テレビをつけて過ごしがちな時間を家族で楽しむ時間にシフトしてはどうでしょうか?
朝食について
朝ごはんは、子どもにとって大切な1食です。
★からだ・・・朝ごはんを食べると、体温が上がり体全体が目を覚まします。朝ごはんは1日を始めるための体のスイッチです。
★あたま・・・眠っている間も脳はエネルギーを使っています。午前中からたくさん脳を働かせるためにも、朝のエネルギー補給が重要です。
★えいよう・・・子どもの胃の大きさは、大人よりまだまだ小さいです。1度にたくさん食べられないので、3食の食事プラスおやつで必要な栄養を摂取します。1食抜いてしまうと、成長に必要な栄養が十分に摂り切れません。
★おなか・・・朝ごはんを食べると、腸が刺激され自然と排便が促されます。毎日登園前に排便するのが理想です。また、朝食を抜くとお昼ご飯をドカ食いしてしまい血糖値の急激な上昇を招くため、体に負担をかけてしまいます。
♡簡単にできる朝食をレパートリーに!
朝食は、主食(ご飯やパン←すばやくエネルギーになる)・主菜(卵料理、豆腐など←体温を上げ血や筋肉のもとになる)・副菜(野菜入りスープやサラダなど←体の調子を整えるもとになる)の3つがそろえば十分です!単品食べ(菓子パンだけなど)は避け、タンパク質の食品や野菜類もぜひ朝ごはんに入れましょう。
まずは朝食を食べる習慣から!食べやすいものから始めて習慣化しましょう。
食べる習慣はあるけど、主食・主菜・副菜たそろっていないなら、今の朝食に1つでもプラスを!
~今の習慣から、一歩前進した朝食を目指しましょう!!~
♡時短の工夫が大切です!
前日の夕食を利用する(お味噌汁をいっぱい作っておく)、下ごしらえしておいた食材を利用する、常備菜を利用する、時には市販品も上手に活用しましょう。
♡朝起きてすぐには食べられません…
朝食をおいしく食べるためには、朝ごはんの30分前には起きましょう!
噛むことの大切さ
噛むことの8大効用
卑弥呼の時代の食事の噛む回数(約3990回)は、現代(約620回)の6倍以上だったと言われています!よく噛むことは、食べ物を噛み砕いて体の中に入れるだけではなく、全身の健康を維持するためにとても大切な働きをしているのです。
①肥満予防・・・よく噛むと満腹感で、食べ過ぎない
②味覚の発達・・・よく噛んでいろいろな食物を食べると味覚が発達する
③発音・・・口の周りの筋肉が発達して発音がよくなる
④脳の発達・・・噛む刺激で、脳の働きが活発に
⑤歯・・・噛むと唾液が出て、歯を守る
⑥がん予防・・・唾液が発がん性物質の毒性を抑える
⑦胃腸・・・噛むと消化酵素がたくさん出て、消化を促進
⑧全力投球・・・奥歯で噛みしめられるられることで、体に力が入る
「マゴハヤサシイ」食のすすめ
噛んで食べて、おいしさを味わう昔ならではの食文化を見直してみましょう
マ・・・豆類・豆食品(マメ類、納豆、豆腐など)
ゴ・・・ゴマなどの植物性脂肪(いりごま、すりごま、ゴマみそ、ごま油)
ハ(ワ)・・・ワカメなどの海藻(ひじき、昆布、のり、ワカメ)
ヤ・・・野菜
サ・・・魚
シ・・・シイタケなどのきのこ類
イ・・・イモ類